「5-8月に閉じた8つの扉と、いまの跡地 — ミューズスクエア開業の陰で」
9月17日、ミューズスクエアが59テナントで開いた。同じ4ヶ月のあいだに、街の他所では少なくとも8つの路面店が扉を閉じ、1店がその再開発ビルに移った。ミューズスクエアの華やぎの陰で回っているものを、跡地ごとに書き留めておく。
4ヶ月、8つの扉
9月17日、駅前に地上15階の JIYUGAOKA MUSE SQUARE が59テナントで開いた。B1から5Fまで、雑貨・食物販・カフェ・レストランが埋まる。街の目線はこの一点に集まっている。
同じ2026年の5月から8月、街の他所では少なくとも8つの路面店が扉を閉じ、うち1店が9月17日のミューズスクエア4階に移った。59テナントが並ぶビルの陰で、5月10日から8月30日までに何が閉じ、いまその場所に何が公表されているのか。9月21日時点で確認できる範囲を、跡地ごとに並べる。
- 5月10日 グリーンポイントマルシェ 2-9-2・カトレア通り 後継は公表されていない
- 5月31日 GYU JIKABY 1-11-2・北口美観街 8月3日「かんむり家」
- 6月28日 磯丸水産 しらかば通り店 2-11-16・リベルテビル1・2F 後継は公表されていない
- 6月30日 銀座立田野 自由が丘店 1-26-8・キクモトビル1F 9月1日 nana's green tea 2号店
- 7月31日 RusaRuka 東京自由が丘店 1-20-19・カトレア通り 後継は公表されていない
- 7月31日 D'RENTY CHOCOLATE 自由が丘店 学園通り・南口徒歩4分 後継は公表されていない
- 8月16日 ホッチポッチ 自由が丘店 1-26-20・サンセット・アレイ 9月17日ミューズスクエア4Fへ移転
- 8月30日 自由が丘ロール屋 1-23-2・モンサンクレール本店の一角 2027年 LE CHOCOLAT DE H
後継が公表されているもの
自由が丘ロール屋 (1-23-2、8月30日)
自由が丘1-23-2で2002年に開いた「自由が丘ロール屋」が8月30日の日曜に営業を終えた。24年。看板商品はクレーム・パティシエールを中心に巻いた「自由が丘ロール」。開業20年目の2023年秋に厨房機器を一新し、シフォン生地に組み替え、ロール菓子を約10種から半数に削減する再設計を経ての一区切りだった。
同じ場所に2027年、辻口博啓シェフによる「LE CHOCOLAT DE H 自由が丘店」がオープン予定と告知されている。ショコラトリー兼カフェ。開業日・内装・メニューは未発表。1-23-2で辻口シェフの看板が、ロールケーキからショコラに切り替わる。
GYU JIKABY (1-11-2、5月31日) — かんむり家
北口美観街、駅徒歩1分の1-11-2。ブラジリアンスタイル鉄板グリル、22席、トリプルビーフステーキ。GYU JIKABY の営業は2026年2月からの4ヶ月。ただしこの間口は、2025年8月まで町中華「豆点」、そこから「ハッピーステーキ羊ちゃんち」を挟んで GYU JIKABY につながる。羊ちゃんちから通算9ヶ月。
5月31日に扉が閉じたあと、同じ間口には19日で次の暖簾が決まり、8月3日には家系と九州豚骨を合わせたラーメン店「かんむり家」が開いた。豆点から数えて5枚目、GYU JIKABY の閉店から64日 (油めん零の開店からは45日) での3枚目の看板にあたる。駅徒歩1分の間口は、いま回転の速さそのものが特徴になっている。
銀座立田野 自由が丘店 (1-26-8、6月30日)
キクモトビル1F、北口サンセットエリア。あんみつと釜飯。銀座立田野は明治28年(1895年)創業で、銀座本店が2015年に閉じ、支店も2021年に全店閉じたのち、2023年7月20日にここ自由が丘で「常設1号店として復活」した経緯を持つ。旧 kissa nanaha 跡地に入って3年。6月30日で閉じ、ブランドとしては横浜元町へ移った。自由が丘店の後継ではない。
1-26-8の1F、街に「復活」の看板が立ってから3年で空いたこの区画には、9月1日に nana’s green tea の2号店が入っている。2001年に1-14-16で始まった抹茶カフェの、25年ぶりの2号店。同じキクモトビル1F。
移転が明示されているもの
ホッチポッチ 自由が丘店 (1-26-20 → ミューズスクエア4F、8月16日→9月17日)
サンセット・アレイの角、1-26-20で1997年から続いた雑貨店ホッチポッチが8月16日に路面店を閉じた。29年。店名の意は「ごちゃまぜ」。次に扉が開いたのは9月17日、ミューズスクエア4Fの「雑貨」区画。1ヶ月の空白を挟み、路面から再開発ビルの4階へ移った。空いたサンセット・エリアの角地に、後継の情報は9月21日時点で公表されていない。
後継情報が公表されていないもの
以下は9月21日時点で、跡地に何が入るかが公表されていない4件。時系列に並べる。
グリーンポイントマルシェ (2-9-2、5月10日)
カトレア通り沿い、辻田ビルディング1F。信州深層天然水のかき氷とフルーツスムージーを軸にしていた店。5月10日で店舗を閉じ、以降はオンラインとポップアップに集約されている。
閉店から4ヶ月。カトレア通りのこの一区画について、後継テナントは現時点で確認できない。
磯丸水産 自由が丘しらかば通り店 (2-11-16、6月28日)
しらかば通りのリベルテビル1・2F。11:00から翌4:00までの深夜営業、163席。2019年11月、Snow Man 阿部亮平の動画で「聖地」化し、動画の累計再生は770万回を超えた。6年。6月28日で閉店。
正面口から徒歩2分、2フロア分の空き。約3ヶ月。後継情報は9月21日時点で公表されていない。
RusaRuka 東京自由が丘店 (1-20-19、7月31日)
カトレア通り沿い、1-20-19の1F。駅正面口から徒歩11分。「Pancakes Salon」を掲げ、90分おかわり自由の「クラシックミルクパンケーキ」を看板にしていた。2014年7月開店、12年。
7月31日で営業終了。カトレア通りのこの一区画、閉店から約2ヶ月。次に何が入るかは公表されていない。
D’RENTY CHOCOLATE 自由が丘店 (学園通り、7月31日)
学園通り、大井町線の踏切近く、南口徒歩4分のローソン向かい。D’RENTY CHOCOLATE のブランド初路面店として2024年11月29日に開いた店だった。20ヶ月と2日。厚さ10mmチョコを挟んだカカオベイクサンド、自由が丘店限定のシュークリーム・カカオレアケーキ・バスクチーズケーキ。ブランド側は渋谷スクランブルスクエア店と銀座に集約し、シュークリームは2026年4月19日から先行して他店で扱われていた。
学園通りの踏切近く、初路面店として立ったこの場所は、路面での展開が1年8ヶ月で終わった。後続は現時点で公表されていない。
訂正 (2026-09-22)
公開時、GYU JIKABY (1-11-2) と銀座立田野 (1-26-8) の跡地を「後継が公表されていない」と記載していました。いずれも誤りで、1-11-2 には8月3日に「かんむり家」が、1-26-8 には9月1日に nana’s green tea 2号店が入っています。当サイトは両店の開店をそれぞれ7月26日・8月6日に記事にしており、自社の既報を参照できていませんでした。該当箇所を「後継が公表されているもの」へ移し、本文を訂正しました。
あわせて次の3点も訂正しました。(1) 末尾の集計が訂正前の数のまま残っていたため、後継公表3区画・未公表5区画に直しました。(2) 磯丸水産の「6年」は2019年11月の動画から「聖地」と呼ばれた期間で、営業年数ではありません。営業年数の列から外しました。(3) 1-11-2 の看板を「豆点から4枚目」としていましたが、油めん零を数え落としており、正しくは5枚目です。(4) ロール屋の所在地を「モンサンクレール本店の一角」としていましたが、本店は自由が丘2-22-4 で別の場所です。
4ヶ月の断面
5月10日から8月30日まで、112日のあいだに、確認できただけで8つの扉が閉じ、うち1つがミューズスクエアの4階に移った。24年、29年、12年、3年、20ヶ月、9ヶ月 — 営業年数が分かっている6店を並べても、その長さの幅は広い。磯丸水産は2019年11月の動画から「聖地」と呼ばれて6年だが、開店year は公表されていない。通り別では、カトレア通りに2件、北口サンセットに2件、しらかば通りに1件、北口美観街に1件、学園通りに1件、1-23-2に1件。
跡地に何が入るかが分かっているのは3区画。1-23-2 の LE CHOCOLAT DE H (2027年)、1-11-2 のかんむり家 (8月3日)、1-26-8 の nana’s green tea 2号店 (9月1日)。ホッチポッチの1件は移転だが、抜けた1-26-20の角地を含め、残る5区画についてはまだ何もアナウンスされていない。ミューズスクエアに59のテナントが入った同じ月、街の別の場所では5つの間口が空のまま9月を迎えた。開業側の光量に対して、こちらは静かな数え方の話。陰で回っているものを、記録に留めておく。