パリの暮らしを詰めたコンテナから 39 年 ― キャトル・セゾン トキオ、自由が丘
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パリの暮らしを詰めたコンテナから 39 年 ― キャトル・セゾン トキオ、自由が丘

1987 年 9 月、パリの暮らしを詰めた大きなコンテナが自由が丘に届いた。「四季」の名を持つ生活用品店、キャトル・セゾンの日本第一号店だ。パリの店は今はもうないが、トキオは自由が丘で営業を続け、この 9 月 15 日で 39 年になった。

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正面口から3分、コンテナの記憶

自由が丘駅の正面口を出て、3分ほど歩く。自由が丘2-9-3に、キャトル・セゾン トキオがある。

この店の30周年のあいさつ文は、ひとつの情景から始まっている。

1987 年 9 月、パリの暮らしが詰まった大きなコンテナが自由が丘にやってきました。

続けて挙げられている中身は、カフェオレボウル、柳のバスケット、ワッフル織のクロス、カフェテーブル。いずれも食卓や居間で日々使う、暮らしの道具だ。最初のコンテナに詰められていたのは、そうした日常の品々だった。

私の部屋リビングのキャトル・セゾン紹介ページで公開された写真。赤い格子柄のクロスの上に、スープの入った赤と紺のカップ、木のスプーン、バゲットを盛ったバスケットが並ぶ
運営会社のブランド紹介ページで公開された、食卓の写真 画像引用: 株式会社私の部屋リビング/公式サイト

日本第一号店として店が開いたのは、1987年9月15日。今年の9月15日で、39年になった。

「四季」と「八百屋さん」

生まれはもっと前、1968年のパリ・レアル。パリ5月革命の年に、ジェネラシオン・モンタント、つまり「既成の価値観から解き放たれた新しい世代」のための生活用品店として開いた。

店名のキャトル・セゾンは、フランス語で「四季」。古い俗語では「八百屋さん」という意味もある。名づけには「四季折々の新鮮な暮らしの喜びを提案したい」という願いが込められている。

新しい世代のための店に、季節の名前と、街の八百屋の呼び名を重ねる。革命の年に生まれた店が名乗ったのは、足もとの暮らしに近い言葉だった。最初のコンテナの中身がカフェオレボウルやバスケットだったことと並べると、その名づけには一本の筋が通って見える。

私の部屋リビングのキャトル・セゾン紹介ページで公開された写真。編み目の粗い手提げのバスケットと、円形の編みの蓋のようなものが吊り下げられている
運営会社のブランド紹介ページで公開された、バスケットの写真 画像引用: 株式会社私の部屋リビング/公式サイト

パリの店は、もうない

パリのキャトル・セゾンは、今は営業していない。日本の1号店は、自由が丘で営業を続けている。

翌1988年の10月29日には、神戸・三宮に二号店が開いた。いまでは北海道から九州まで、全国に店がある。そのあいだにトキオは、2000年5月20日、床を広げてリニューアルオープンした。最初のコンテナが着いてから、13年後のことだ。

店の話では、客層は30〜40代が中心で、「オープン当初から長年足を運んでくださるファンの方」も多いという。

屋上の蜜と、秋の香り

2026年1月の発表で、店は2月にトキオへ、パリの街中で見かけるKiosque(キオスク)をモチーフにした特設ブースを設けると告知していた。テーマは「Souvenirs et Table」、テーマカラーは「Paris Bleu」とされていた。

同じ発表で「5月頃~」として告知されていたのが、丘ばちハチミツとのコラボ企画だ。自由が丘駅から徒歩1分のビルの屋上で飼育されているハチたちが、バラやハーブから集めてきた蜂蜜を、丘ばちハチミツとキャトル・セゾンのWネームで販売する、というものだった。街にミツバチを放つこの取り組みは、2009年に始まっている。

1987年にコンテナでパリの暮らしを受け取った店が、39年目には、街の屋上で採れた蜜と名前を並べる企画を告知していた。受け取るところから始まった関係が、39年のうちに往復するものになりつつある。

この秋、トキオでは9月14日から10月12日まで、クリスチャン トルチュのポップアップショップが開かれた。フラワーアーティストのクリスチャン トルチュの感性で表現したフレグランスコレクションで、キャトル・セゾンでは初めての紹介になる。

季節の移ろいとともに形を変える自然の素顔を、香りで表したコレクションだという。今回は全ラインナップが並び、キャンドルやルームスプレー、ポプリなど、香りは全6種類。

bionの焼き菓子は奇数月に1回の入荷、cimaiのパンは奇数月の第1金曜日14時から。営業は平日11:00-19:00、土日祝11:00-19:30、定休日は不定休。

40周年の手前で

来年、日本の1号店は40周年を迎える。店は「来年(2027年)の日本上陸40周年に向け」、新しい試みを企画・準備中だとコメントしている。

パリの店は、もうない。パリで生まれた名前の、日本で最初の店が、自由が丘で40周年の手前の秋を過ごしている。

パリの暮らしを詰めたコンテナが自由が丘に届いたのは、1987年の秋。そこから39年分の季節が、この街で巡ってきた。