麺屋の跡地に、麺屋。踏切脇でボンゴレが湯気を上げる7月31日
醤油らーめん専門店が消えた跡地に、貝出汁のイタリアン・ラーメンが上陸。川崎・新丸子「ヌードルズキッチン ガナーズ」のコンセプト店、BONGOLIAN NOODLES GUNNERS ROAD TO LONDON が、2026年7月31日(金)にオープンする。屋号にはロンドンが入っている。
踏切脇の跡地、湯気の主が入れ替わる
東急東横線と大井町線が交わる自由が丘駅、その踏切脇 — 自由が丘二丁目の一角に、2024年5月から2年ちょっと、醤油らーめん一杯だけを出す店がありました。「麺 ひしおのキセキ」。オープンから間もなく行列のできる店になった、と地元記者は伝えています。
その暖簾が、消えた。
跡地に、7月31日(金)、別の麺屋が入ります。屋号が長い。「BONGOLIAN NOODLES GUNNERS ROAD TO LONDON」。読み下すのに一呼吸いる。ボンゴレの、ヌードルの、ガナーズの、ロンドンへ、と。
醤油から、貝出汁へ。ラーメン専門店から、イタリアン×貝出汁ラーメンへ。同じ踏切脇の一等地で、湯気の主が入れ替わります。
ボンゴレロッソ、と聞いてラーメンは想像しにくい
看板メニューの名前が、まず引っかかります。「ボンゴレロッソ」。イタリア料理の、あの、赤いボンゴレです。
それをラーメンで出す、と言われて、頭のなかで絵が結ばない。地元媒体の報道によれば、こういう構成です。貝出汁のスープに、トマトの赤。チーズのコク。バジルの緑。器の中は、スープパスタのような見た目。
貝の輪郭がまずあり、トマトの酸が回り、チーズが底で重さを支え、バジルが緑の匂いで抜けていく — そんな順番で口に入ってくる想像です。噛むと麺が絡み、〆はリゾットに仕立てられる、とも報じられています。パスタでもラーメンでもない、リゾットで締める一手。
分類はいったん脇に置いていい。麺があって、貝の出汁があって、チーズとバジルが乗っている。それを何と呼ぶかは、食べたあとで考えればいい。
川崎・新丸子から、自由が丘、そしてロンドンへ
運営元は、川崎市・新丸子の「ヌードルズキッチン ガナーズ」。貝出汁ベースの麺料理を出す店で、公式サイトの屋号もそのままです。
系列店は、食べログ「ラーメン KANAGAWA 百名店」の 2025 年版に選出された、と地元媒体は伝えます。神奈川の百名店が、東急線を渡って自由が丘に降りてくる、という構図。
そして屋号の後半。「ROAD TO LONDON」。将来、ロンドンに出店したい、という思いを屋号に載せたもの。川崎 → 自由が丘 → ロンドン。麺屋の看板に、ロンドンが入ってしまう。地方から都心へ、都心から海外へ、という視野の広さがそのまま屋号になっています。押しつけがましさはなく、ただ「そう思っている」と書いてあるだけの、控えめな宣言です。
「ラーメン激戦区である自由が丘に乗り込んでくる」— 報道のこの一行の温度感がちょうどよく、乗り込んでくる側も、迎える街も、少し身構えている気配があります。
前店「ひしおのキセキ」の残像
前の店の話も、少し。
「麺 ひしおのキセキ」は 2024 年 5 月 1 日 (水) にオープンした醤油らーめん専門店。当時の報道はそう記録しています。オープン後、地元記者の追った通り、行列のできる店になりました。
2026 年 6 月 10 日の時点では、まだ営業していた。その後、閉店の張り紙が出た。閉店日そのものは報じられていません。6 月中〜下旬、と読み取れます。
醤油一本で勝負した麺屋の跡地に、貝出汁とトマトとバジルの麺屋が入る。同じ踏切脇の、同じ物件で、麺の解釈が入れ替わります。麺屋 → 麺屋の系譜のなかで、ここまで別方向にジャンプする跡地継承は、なかなか珍しい。
7月31日、踏切脇で確かめる
7月31日(金)、そのオープン当日。
看板メニュー「ボンゴレロッソ+チーズリゾット(S)」が、通常 1,400 円のところ、1,000 円で提供されます。差額 400 円は、初日だけの数字です。先着 100 名にはオリジナルステッカーの配布もある、と報じられています。
金曜日の、踏切脇の湯気。貝の匂いと、トマトの酸と、チーズのコク。バジルの緑が、まず先に見えるのか、香るのか。想像だけでは埋まらない部分があり、これは行って確かめるしかない類のメニューです。営業状況は当日変わりうるので、訪問前に一度、確認を。
イタリアンなのかラーメンなのか、という問いを置くよりも先に、貝の出汁がどう抜けてくるかを確かめたい。トマトが酸で切ってくれるのか、チーズが底で支えてくれるのか、バジルが緑で締めてくれるのか。次の金曜、あの場所で湯気を確かめてきます。