「9月6日、水辺の絵画と、掛け声の午後 ─ 奥沢の美術館、駅前の御神輿」
同じ9月6日(日)。奥沢5丁目の宮本三郎記念美術館では「水辺をめぐって」展が最終入館17:30で会期を閉じ、 自由が丘駅前では熊野神社の連合渡御が13時に宮出。徒歩7分の街に、水の絵画と掛け声の午後が並ぶ。
同じ1日、二つの時計
明日、9月6日(日)。街で二つの時計が同時に動く。
一つは奥沢5丁目の宮本三郎記念美術館。「水辺をめぐって」展が、17時30分の最終入館で会期を閉じる。4月1日に始まった半年近い会期の、最後の午前と午後。
もう一つは自由が丘駅前。熊野神社の秋祭り本宮、その13時に神幸祭・連合渡御が始まる。南口商店会、旭会、駅前中央会と銀座会の合同、広小路会 ─ 4つの商店会を、氏神が渡っていく午後。
静かに閉じる展示室と、掛け声で満ちる路上。歩ける距離、徒歩7分。
水辺の絵画が閉じる午前
宮本三郎記念美術館は、奥沢5-38-13。自由が丘駅から徒歩7分、九品仏駅から徒歩8分、奥沢駅から徒歩8分。三つの駅が交わる住宅街の一角に、この分館は建つ。
「水辺をめぐって」展のキーワードは、そのまま「水」。会期は2026年4月1日から9月6日まで。開館10時、閉館18時、最終入館17時30分。料金は一般220円、大高生170円、65歳以上と中小生110円。世田谷区内在住・在学の小中学生は、土日祝と夏休み期間は無料。
展示の軸は、宮本三郎(1905-1974)の生涯にわたる「水」への視線だ。石川県小松市の生まれ。日本海の沿岸で、潟や湖のほとりで育った人が、後年フランスのエトルタ海岸を描き、河岸の風景を描き、水鏡に映る人の姿を描いた。故郷の漁の光景から、逆巻く川面まで。半世紀を超える画業を通して、水は繰り返し画面に戻ってきたモチーフだった。
その水辺の作品群が、奥沢の一室に集まって、9月6日で会期を閉じる。故郷の潟から始まった水の視線が、東京の住宅街の展示室で最後の一日を過ごす ─ 最終日の午前には、そういう重さが静かに置かれている。
会場は、昭和洋画壇を代表する画家が長く制作の拠点にした地に立つ。区ゆかりの作家の作品を中心に、この分館は動いてきた。
13時、宮出
午後の街は、別の音で動く。
熊野神社の祭典(本殿)は9月6日(日)11時から。神幸祭・連合渡御の宮出は13時。ここから氏子地域の商店街を、神輿が渡っていく。
子ども神輿の集合は、商店会ごとに場所と時間が違う。南口商店会は200名募集の事前予約制、メルサ2前集合で13:00〜16:00。旭会は廣文堂で申込、城南信用金庫自由ケ丘支店前集合で13:00〜、参加者には祭礼Tシャツが用意される。駅前中央会と銀座会の合同は小学4〜6年生対象、タイムズ自由が丘第11に集合。広小路会は13:30〜15:30、詳細は公式Instagramで案内されている。
宮入は18時30分。その前、14時30分から15時にかけて境内で奉納太鼓と雅楽。屋台は両日10時から21時30分頃まで、境内に出る。
神社の住所は目黒区自由が丘1-24-12、駅から徒歩約5分。御奉納の受付は栗山久次郎翁銅像前で、9月5日・6日ともに9時から17時まで。
9月5日(土)と9月6日(日)、二日間の時計
| 日 | 時刻 | 出来事 | 場所 |
|---|---|---|---|
| 9月5日(土) | 10:00〜16:00頃 | 目黒囃子 | 境内 |
| 9月5日(土) | 10:00〜21:30頃 | 屋台 | 境内 |
| 9月5日(土) | 18:00 | 宵宮 宮出 | 熊野神社 |
| 9月5日(土) | 18:00〜20:00頃 | 奉納太神楽 | 境内 |
| 9月5日(土) | 21:00 | 宮入 | 熊野神社 |
| 9月6日(日) | 10:00〜17:30 | 「水辺をめぐって」展 最終日 | 宮本三郎記念美術館 |
| 9月6日(日) | 10:00〜21:30頃 | 屋台 | 境内 |
| 9月6日(日) | 11:00 | 祭典(本殿) | 熊野神社 |
| 9月6日(日) | 13:00 | 神幸祭・連合渡御 宮出 | 熊野神社 |
| 9月6日(日) | 14:30〜15:00 | 奉納太鼓・雅楽 | 境内 |
| 9月6日(日) | 18:30 | 宮入 | 熊野神社 |
土曜は宵宮。10時から目黒囃子が始まり、18時に宮出、21時に宮入。奉納太神楽は18時から20時頃まで。屋台は夜まで境内に出る。
日曜は本宮と展覧会最終日が重なる。午前は美術館、午後は神輿。時間で分ければ、両方に触れられる1日になる。
水と掛け声、歩ける1日
奥沢5丁目の美術館から、自由が丘駅前の熊野神社まで。地図の上では、住宅街を抜けて数分の距離。歩ける街に、会期最終日の展示室と、氏神が路上を渡る午後が並ぶ。
水辺の絵画が半年かけて置いてきた「水」の時間と、街が年に一度担ぐ神輿の時間。性質はまったく違う。片方は展示室の照明の下で静止し、もう片方は路上の掛け声とともに動く。9月6日という同じ日付の上で、二つの時計が同時に動く。
美術館の最終日は、翌日にはもうやってこない。連合渡御の13時も、この日の1回だけ。日曜の午前を美術館で過ごし、午後に神輿の掛け声を聞く。あるいは、その逆。奥沢の展示室と駅前の路上を徒歩7分で結ぶ1日は、9月6日にしか組めない。
美術館の最新情報は世田谷区公式ページで、熊野神社は自由が丘オフィシャルウェブサイトで案内されている。屋台の営業時間や太鼓の時刻は当日変更の可能性もある。
9月6日の夕方、18時30分に神輿が宮入する頃、奥沢の展示室の照明も落ちる。同じ街の、同じ日の終わり方。この二つが再び同じ日付に並ぶ機会は、そう多くない。