「屋根の下、3つの作品世界 ─ 8月中旬、街に並ぶ時間の位相差」
8月8日の土曜、自由が丘2丁目から鷹番2丁目まで、3つの作品世界が同じ週末に並んでる。 会期最終週の写真展、開幕したばかりのアクリル作品展、発売直後の直営店限定スニーカー ─ 位相のちがう3つの「今」を、東急線南北の一本の線で歩ける週末なんです。
朝、自由が丘の駅を出て、まず一つ目の屋根の下に立った。
会期最終週に入った写真展、開幕したばかりのアクリル作品展、発売から一日目のスニーカー。3つとも「作品」で、3つとも自由が丘か学芸大学の 2 丁目界隈にある。でも時間の位相がまったくちがう。片方は終わりに向かい、片方は始まったばかり、片方は棚に並んだ最初の週末。
同じ屋根の下に立つ、と言うのは変な言い方だ。実際には3つの店の屋根の下に順番に立つだけ。それでも歩いてみると、東急線に沿った南北の一本の線の上に、位相のちがう「今」が並んでいることに気づく。
会期最終週の写真展 ─ BOOK AND SONS
先週の記事でシェルター候補として名前だけ挙げた写真展が、今週は主役の一つに変わっている。まず学芸大学まで足を伸ばした。鷹番2丁目、BOOK AND SONS。
松本直大さんの写真展「極度のここ」が会期最終週に入っている。7月23日から8月11日まで、いよいよ残りは今日を含めて4日。営業時間は12時から19時、水曜定休、入場無料。
作品は 2018 年から約 9 年、ロサンゼルス・パリ・ネパール・ソウル・日本各地で撮影されたもの。担当者は「日々の生活や旅先で出合う何気ない断片を写真として捉え、それらの視点を再編集・再構成することで、現実の延長線上にある新たな世界や物語の立ち上がりを探求している」と紹介する。
会期最終週は、ふしぎな時間帯だ。「まだ間に合う」と「もう終わる」が同時に立っている。開幕直後の写真展なら、いつでも行けると先延ばしできる。最終週になると、今日か明日か、8/11 の火曜日 (山の日) か ─ 3 択に絞られる。
開幕したばかりのアクリル作品展 ─ 私の部屋
自由が丘に戻って、2丁目の私の部屋へ。
アクリルアーティスト KAE さんの展示販売が 8月4日に始まった。会期は 8月17日まで。今日は開幕から 5 日目、まだ会期の前半だ。営業時間は平日 11 時から 19 時、土日祝は 11 時から 19 時 30 分と土日は少し長い。
販売作品を書き出すと、キーホルダー 3,500 円、ピアス 3,000 円、ブローチ 4,500 円。カスタマイズできる「私だけのアクリルキーホルダー」は基本ホルダー 1,680 円にパーツを 1 点 1,340 円で追加していく形式になっている。基本ホルダー + パーツ 1 点で 3,020 円、パーツ 2 点で 4,360 円 ─ 数字を並べてみると、既製品のキーホルダーとほぼ同じ価格帯で自分の組み合わせが作れる、という設計になっている。
スタッフは「カラフルでポップ、時にレトロで夢のような KAE さんの作品の世界を体感していただけたら」と話す。写真展が「世界の輪郭を見つめる」静けさなら、こちらは「色が飛び跳ねる」賑やかさ。同じ 2 丁目の中で、ずいぶん違う時間が流れている。
発売直後の直営店限定 ─ MOONSTAR
3 つ目は MOONSTAR JIYUGAOKA Maple St.。同じ自由が丘 2 丁目、営業は 11 時から 19 時、火曜定休。
直営店限定カラーモデル「SX 78C07PL J ネイビー」が昨日 8月7日に発売された。SPxx の PLAY シリーズ、価格 22,000 円。落ち着いた色味のネイビーに、シルバーのアクセントとリフレクター入り替え紐が付属する。サイズ展開は 22cm、23〜27cm、28cm、29cm (2E)。22cm と 28cm、29cm がラインナップに含まれているのが目を引く ─ 子供の足にも大人の足にも届く直営店限定という設計になっている。
前週 8月1日の記事の末尾で、こう予告していた。「来週末、8月8日は MOONSTAR SPxx PLAY ネイビーが街のスニーカー棚に並んだ最初の土曜になる」。今日がその「並んだ最初の土曜」。実際に Maple St. の棚に立ってみると、予告と現実がぴたりと重なる感覚が少しある。
3 つの導線を描いてみる
3 つの位相がちがう作品世界を、どの順で回るか。歩き方を 3 通り書いてみる。
一人で歩くなら
学芸大学まで足を伸ばして BOOK AND SONS の写真展を先に見る。会期最終週の切迫感を最初に浴びておくと、あとの 2 つがゆっくり見える。松本直大さんの 9 年分の断片を眺めたあと、東急東横線で自由が丘に戻る。時間の順序が「終わりに向かう静けさ → 開幕したばかりの色 → 発売初週の棚」で並ぶ。
カップルで歩くなら
私の部屋を軸にする。KAE さんのアクリル作品はキーホルダーやピアス、ブローチと日常に持ち帰れるサイズが揃っている。カスタマイズの基本ホルダー 1,680 円 + パーツ 1,340 円は、二人で選ぶのに向いた価格帯。選び終わったあと、写真展か MOONSTAR かを気分で決める余裕がある。
家族で歩くなら
MOONSTAR。SX 78C07PL J ネイビーは 22cm から 29cm まで展開があるので、子供の足と大人の足を同じ棚で並べて見られる。試し履きのあと、2 丁目の中を歩いて私の部屋の KAE 展まで数分。写真展まで行くかは、子供の集中力次第。
3 つの導線をどれも一日で全部やる必要はない、と書いておく。土日 2 日ある。
山の日前の土日と、来週の景色
天気予報を確認しておく。23区は晴れ時々くもり、南の風、雷雨予報なし。多摩西部では夕方から夜のはじめ頃に雨で雷を伴う予報が出ているが、自由が丘・学芸大学の界隈は屋根の外にいても差し支えない。
もうひとつ書いておきたいのは、来週火曜 8月11日が山の日 (祝日) だということ。そのあと平日 3 日を挟んでお盆の週に入っていく。街の人出は 8/11 以降、少しずつ静かになっていく。
つまり今日と明日、この土日は「街が静かになる前の土日」ということでもある。3 つの作品世界のうち、松本直大さんの写真展だけは 8/11 が最終日。KAE 展は 8/17 まで、MOONSTAR の限定モデルは在庫がある限り。時間の位相差は、来週末になるとまた変わる。
土曜の夕方、駅前に戻ってきた。今日は屋根の下を 3 回くぐった週末になった。来週末は、街の位相がまた少しずれる。写真展が終わり、KAE 展だけが残り、MOONSTAR の棚に新色がどう馴染んでいるか。屋根の下の作品世界は、毎週少しずつ入れ替わっていく。また来週、この街の 2 丁目界隈を歩きに来よう。