DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の作品。波形に彫った板を重ねた木彫に、黒い小さな人の像が腰掛け、横たわる
DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の作品 画像引用: 北山翔一/公式サイト
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見えているのに、つながらない ─ 彫刻家・北山翔一「3.5/非多様体」、自由が丘1-11-2で

人の姿に見えるのに、身体としてはつながらない。そんな彫刻が、10月31日(土)から自由が丘1-11-2の DIGINNER GALLERY に並びます。彫刻家・北山翔一の個展「3.5/非多様体」、会期は11月15日(日)まで。

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見る。もう一度見ると、少し違う

人の姿を思わせながら、身体としてはつながらない。形を持たないはずの気圧に、量感がある。彫刻家・北山翔一の個展「3.5/非多様体」には、そんな作品が並びます。DIGINNER GALLERY で北山の個展が開かれるのは、今回が初めてです。

DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の木彫。波打つように彫られた木の塊を金属の脚が支え、その下に小さな人の像がぶら下がる
DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の作品 画像引用: 北山翔一/DIGINNER GALLERY 公式サイト

輪郭に収まらないものを、木から

北山がこれまで彫刻として切り出してきたのは、山や風景、波や気象といった自然現象、人体、そして人の存在と不在。どれも、ひとつの輪郭には収まりきらないものばかりです。

プレスリリースには、こんな一節があります。

流れ続ける波は木の中に留まり、形を持たない気圧には量感が与えられる。

欠けた身体はトルソーとして現れる。対象の形を忠実に写すのではなく、見た風景や身体に残った感覚が「彫るという触覚的な行為」を通って、ひとつの物体になる。その途中で、もとの像と彫刻のあいだに埋まらないずれが生まれる、と書かれています。

動かない木の中に、動き続ける波。それが、この展覧会の入り口です。

「3.5」という数字

三次元に確かにあるのに、三次元という言葉では収まりが悪い。北山はその感覚を、直感的に「3.5」と捉えるといいます。リリースは「それは四次元を説明するための数字ではない」と続けます。

本展はその「見えているのに、うまくつながらない」という知覚のずれを手がかりに、これまでの彫刻と新作を紹介するものです。

10月14日の告知で、作家は「完全新作、未発表作品も出品する予定」と書き、ギャラリーと展覧会を本格的に一緒につくるのは初めての経験だとも記していました。そして10月25日の夜には、翌日の搬出と搬入を前に「新作もなんとか間に合いました」と投稿しています。

1988年、浦安生まれの彫刻家

北山が主に制作してきたのは、彫刻家の写真を元にした《Spirit(=彫刻家)》シリーズと、彫刻の歴史を既製品の鉢に植える《torusô》シリーズです。

DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の作品の展示風景。台座の上に頭部のないトルソー状の木彫と、鉢に据えられた木彫が並ぶ
DIGINNER GALLERY の展覧会ページで公開された北山翔一の作品の展示風景 画像引用: 北山翔一/DIGINNER GALLERY 公式サイト

1988年、千葉県浦安市の生まれ。東京と千葉を拠点に活動しています。2017年に東京藝術大学大学院美術研究科の博士後期課程を修了し、博士論文の題は「彫刻の抵抗感 : 内的触覚によって切り出された風景」。経歴の個展欄は、2023年の「彫刻の肖像/ ビーチ」(Arai Associates) と今回の展覧会の2件です。

会期と時間

項目内容
会期2026年10月31日(土)〜11月15日(日)
時間11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)
休廊毎週月曜 (会期中は11月2日・9日)
会場DIGINNER GALLERY (東京都目黒区自由が丘1-11-2)
問い合わせDIGINNER GALLERY 公式サイト (diginner.com)

一度見て、何かに見えて、もう一度見ると違っている。その順番は、実物の前でたどれます。木の中に留まった波は、11月15日(日)まで DIGINNER GALLERY にあります。