屋上の蜜が、駅前の一切れに戻ってくる ——「自由が丘さんど」目黒区に選ばれる
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飲食 自由が丘1丁目、サンセットアレイ通り 読 2分

屋上の蜜が、駅前の一切れに戻ってくる ——「自由が丘さんど」目黒区に選ばれる

サンセットアレイ通りの4坪の店で、屋上17年の蜜がフルーツサンドの中に還ってくる。開業6年目の「自由が丘さんど」が、目黒区に「元気なお店」として選ばれた。

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4坪から、目黒区の認定へ

自由が丘駅正面口から北へ4分、サンセットアレイ通りに4坪のテイクアウト専門店がある。「自由が丘さんど」。2021年3月プレオープン、4月28日に本格開業したフルーツサンド専門店だ。

その店が開業6年目の今年、目黒区の「元気なお店」に選ばれた。区が「活気ある事業所」として産業ページに紹介する認定制度で、街に根を張ってきた店に贈られる印である。

ハニーストロベリーという一切れ

看板メニューの一つ「ハニーストロベリー」に使われているのは「丘ばちはちみつ」。自由が丘商店街振興組合が2009年から続けてきた都市養蜂プロジェクトの蜜で、ビル屋上の4群のミツバチが半径約2km圏内から集める花蜜だ。今年で17年目を迎える。

「自由が丘さんど」のオーナー・稲葉龍弥さんは、自由が丘商店街振興組合 環境部の副部長。丘ばちプロジェクトを運営している側の人が、自分の店でその蜜をフルーツサンドの中に挟んでいる。

屋上 → 稲葉さんの手 → 店 → 客の口。街の中で、循環がひとつ閉じる。

4坪の必然

立地はサンセットエリア、以前はドリンクスタンド「machi machi 自由が丘POP UP店」が入っていた場所である。「ドリンクスタンドが退店した場所で何かできないか」という話を受けて、稲葉さんが狭小面積で成立する業態を考え、サンドイッチに行き着いた。4坪でも調理と販売が回る。

店長は稲葉さんの小学校の同級生で元フルーツサンド店勤務の小国亜澄さん。「フルーツサンドが作れる同級生がいる」という縁が、この店の輪郭を決めた。

甘さは、控えめに

「旬の果物を楽しんでいただくため、生クリームは少なめですっきりとした甘さに仕上げているのが当店の特徴。一つ一つ手作りで見えない部分までフルーツをふんだんに入れており、最後までおいしく食べていただける」——開店時、稲葉さんはそう話している。

パン生地と生クリームは軽い食感を目指した設計。切断面には市場で厳選したフルーツが顔を出す。Mixさんど650円、チョコバナナさんど450円、マンゴーさんど700円、親子さんど680円。季節メニューが回るため、行くたびに違うフルーツに会える。規格外や余ったフルーツはフードロス削減としてスムージーやアサイーボウルに姿を変える(いちごスムージー700円)。

6年目、屋上の蜜が戻る場所

丘ばちの蜜は、4月29日にキャトル・セゾン・トキオの棚で初の一般販売が始まった。100g入り3,240円。17年間、地元菓子の素材やイベント賞品として流通してきた蜜が、初めて「棚で買える」形になった。

その同じ蜜が、駅前の4坪でも別の形をしている。フルーツサンドの中、いちごととろりと重なって、一切れの中に。買って持ち帰る蜜と、その場で食べる蜜。屋上から降りた蜜が、街の中で二通りの居場所を得た。

11時開店、売り切れ次第終了、月曜定休。次に駅正面口から北へ歩く時、サンセットアレイの角を曲がってハニーストロベリーを一切れ、持ち帰ってみる。屋上の蜂の羽音を、指先で確かめるように。