自由が丘・L字の路地の4.4坪 広東料理を8年学んだ料理長が厨房に立つ「立呑み中華 起率礼」
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自由が丘・L字の路地の4.4坪 広東料理を8年学んだ料理長が厨房に立つ「立呑み中華 起率礼」

学園通りの自由が丘駅入口バス停の裏、L字の路地に木の看板が出ている。もとスナックの4.4坪、16時に開く「立呑み中華 起率礼」だ。厨房に立つのは、ホテルの中国料理店などで計8年、広東料理を学んだ料理長。

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L字の路地にある、もとスナックの4.4坪

学園通りの自由が丘駅入口バス停。その裏手に、L字に折れる路地がある。バーや居酒屋が並び、通称「L字が丘」と呼ばれる一角だ。「立呑み中華 起率礼(きりつれい)」は、ここで2023年12月19日に開業した。駅から歩いて3分ほど。

もとはスナックだった4.4坪。開業当時の自由が丘経済新聞とフードスタジアムの記事によると、奥へ伸びるカウンターの店内は木目とモルタルが基調で、店先には何屋かひと目でわかるようにと木製の看板を掲げた。

ここからは各誌の取材記事をもとに、厨房に立つ料理長の経歴と皿、茶割りをたどる。

ホテルの厨房から立ち飲みのカウンターへ

厨房に立つのは料理長の井上史子さん。ザ・リッツ・カールトン大阪の「香桃」、ウェスティンホテル東京の「龍天門」、広尾の「中華香彩 JASMINE」で、計8年、広東料理の技術を積んできた。

店を立ち上げたのは、学芸大学の「立呑み 鉄砲玉」を手がけた店主の正木勇貴さん。大阪にあるような、本格中華を立ち飲みでスタイリッシュに出す店を、いつか東京でやりたいと考えていた。開業時の自由が丘経済新聞に、そう語っている。

正木さんから中華の立ち飲みの話を聞いたとき、井上さんは「新たな挑戦ができる!と道が開けたように感じました」とフードスタジアムに話している。同じ記事によれば、正木さんは初めて来たこの場所の「ディープで渋い雰囲気」が気に入ったという。

2026年9月23日公開の飲食店ドットコム ジャーナルのインタビューでは、井上さんがレストラン時代との違いに触れている。厨房の奥深くにいて、自分の料理を食べる客の顔を直接見ることはなかった。いまは目の前で料理が口に運ばれる。

「レストラン時代とは違い、お客さまの反応や表情が見えることが何よりのやりがい」

皿と茶割り

よだれ鶏から炒飯まで

よだれ鶏については、BRUTUS.jp が修業先のJASMINEの味をアレンジした一皿として紹介している。記事が挙げるのは、しっとりと軟らかい身と、数種の調味料を用いたたれ、花椒の香りだ。

品書きの6割は冷菜。最初の一皿を待たせないための設計だと、飲食店ドットコム ジャーナルのインタビューは伝えている。ただ、単に作り置くのではなく、8〜9割まで仕込み、最後の仕上げだけを直前に行う。

白和え(590円)は、せいろで蒸して重しで水気を抜いた豆腐を、芝麻醤などのタレとピータン、ザーサイ、パクチーで和える。盛りはこんもり。井上さんは同じインタビューで、小皿でも「こんなに盛ってくれるのか」と思われたいと話している。

熟成麻婆豆腐(890円)は、開業時の自由が丘経済新聞によると、甘めに炊いた肉みそに3年熟成のピーシェントウバンジャンなどをブレンドしたもの。締めには、魚を塩漬けして発酵させた調味料ハムユイで卵と米を炒めたハムユイ炒飯(980円)や、BRUTUS.jp が紹介する、乾麺を卵、ニラ、黄ニラと炒める香港焼きそば(790円)。飲食店ドットコム ジャーナルによれば、厨房の左の鍋はこの二品と麻婆を受け持ち、右の鍋は海老のマヨネーズ和え専用。鍋ごとに持ち場が決まっている。

茶割りは焼酎控えめ

グラスの主役は茶割り。飲食店ドットコム ジャーナルによると、台湾鉄観音や紅玉紅茶などの茶葉を前夜から8時間かけて水出しし、中華のスパイスや油分をリフレッシュさせる一杯に仕立てている。開業時の品書きには、白桃烏龍、桂花蜜烏龍(キンモクセイウーロン)が並んでいた。

焼酎の量について、井上さんは BRUTUS.jp で「とにかく茶葉の香味を堪能していただきたいので、焼酎は控えめに入れています」と語っている。

まかないは台湾風そぼろ

まかないのレシピは、Hanakoの2026年10月号で井上さんが紹介している。豆鼓の香りと旨みが染みた台湾風そぼろ。作り置きしておけば白米にかけるだけでなく、冷奴にのせたり素麺に使ったりもできる。

2026年2月に三人体制へ

2026年2月、長く中国料理に携わってきた二人が加わり、現場は三人体制になった。飲食店ドットコム ジャーナルのインタビューによると、その翌月には、週2日ほどあった定休日を撤廃する方針が店主から示される。井上さんは1か月で、新しい二人を戦力にする必要があった。そこで、感覚で決めていた配合や切り方を数値に置き換えた。毎日同じ画角と自然光で撮って公式Instagramに載せる料理写真も、盛り付けの手本にしているという。

開業から間もない頃は約16人が入れる広さと紹介されていたが、いまは25席、すべてスタンディング。営業は16時から23時、不定休。予告なく変わることがあり、公式Instagramでの確認が案内されている。予約はできないが、電話で今の空き状況は確かめられる。支払いは現金のみ。

16時に開くL字の路地

学園通りの裏、L字の路地を曲がった先に、木の看板が出ている。茶割りを一杯、よだれ鶏を一皿。4.4坪のカウンターは、16時に開く。